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2007/04/29

卆寿

先週末、義父の誕生祝いで上京した。満開の桜と都会の喧噪に違和感を覚えつつも絶えず変化し続ける大都会の様子をしっかり目に焼き付けてきた。ところでその義父であるがこの度目出度く「卒寿」を迎えた。長崎大学医学部を卒業後内科医を開業し65年、未だに現役の医者を続けている。老人の患者さんを相手に「まだまだ若いのだから、、、」と毎日の診療は勿論、動けない患者さんの所には自ら車を運転して往診もしている。この度の卒寿のお祝いに私の息子達がパソコンをプレゼントした。90歳と言う高齢になってなお新しい事にチャレンジする「意欲」にはただただ脱帽するばかりである。新聞は未だに英字新聞しか読まず、暇なときはクラシック音楽を楽しみ、週末は自分で愛車を運転して熱海の別荘まで出かける、、、何とも羨ましい人生を謳歌している。寡黙で気負い無く淡々と人生を送る姿は小生の目標とする生き方であるがとても足下にも及ばない。人生を長く生き、一事に精通した人には「哲学」がある。言葉では言い表せない経験則に基づいた「重み」を感じるのは、こういう人々に共通している。書物から得る知識、見聞きする知識も大切であるが「経験則」から養われ、身に付いた「哲学」には人を引きつける「何か」がある。
次は白寿の祝を是非とも!と約束して東京を後にした。小生も古希まで頑張らねばならなくなったなあと元気な義父の顔を思い浮かべながら眠りについた。