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2007/04/04

国の崩壊

私の学生時代、遠洋航海で立ち寄った国々で「日本」は特別な国と言う印象をことさら強く感じ誇りに思った時期があった。何処に行っても「円」が通用し、人種差別の酷い国でも「日本人」は白人扱いだったし、ニューヨークの治安の悪さに比べれば日本は当に世界一治安の良い国であった。阪神大震災の時あのパニック状態の中でも信号を守る日本人を見て外国の記者が日本人のモラルの高さに驚嘆したと言う記事を見たことがあるが当に20年、30年前の日本は世界に誇る「良識」の国だったと思う。ところが昨今の「日本」はどうだりう?治安を守る警察が飲酒運転で捕まったり、犯罪を犯したり、教育の最前線の学校で働く教員が起こすお粗末な事件、国政を担う議員さんや官僚のあまりに低いモラル!「国柄の崩壊」に歯止めがかからないどころか拍車がかかっているというのが今の「日本」の姿ではないだろうか?。政治では小泉元首相のあの薄っぺらな発言、他の政党の議員を軽蔑したような答弁、「良識」を押さえ込んでしまう独断と偏見etcとても一国のリーダーとしての資質を持ち合わせた人物では無かったと確信している。スポーツでは亀田3兄弟とその父親のレベル。誇りと命を懸けて闘った相手に何の敬意すら表せないモラルの低さを見るにつけ「家庭教育」の崩壊も現実のものとなった感がある。経済に至ってはホリエモン・村上ファンドの事件が代表するような「日本の道徳」の崩壊、そして最も危惧するのはそれらを伝えるメディアのモラルである。国柄の崩壊に関するこれらのニュースを流すメディアが一度たりとも「犯人」がブラウン管に頻繁に登場する時批判的なコメントを流したのを聞いたことがないと言うことである。世論の流れを感じたコメンテーター達が平気で違ったコメントをしているのに気づいた人も多いのではないだろうか。一般国民レベルでは世の中は変えられないことを政治家も官僚も国民も概ね理解している。己を捨てて命を懸けて「国」を考え得るリーダーが居ないのである。実務を司る官僚に真のエリートがいないのである。いや居るのであろうが彼らが世に出る機会を潰している輩が未だに存在しているとしか思えない。この辺の「改革」こそ真っ先に取り組むべき改革のはずであることは明白である。地方自治体でもお粗末な事件が後を絶たない。あれほど旧態依然とした、地方自治を私物化出来る様な体質であるならその逆もできる筈である。我が身を省みず命を県政に捧げるようなリーダーのお手本になれるような人物が現れても良いのではと期待をする昨今である。