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2012/05/16

沖縄返還

1971年5月15日、戦後25年間アメリカに占領されていた沖縄が日本国に返還された。昨日は沖縄返還40周年の節目の日であった。今の日本国民のうち どれだけの人がどのように此の事を受け止めているのだろうか?テレビでも特番を組んで良いほどなのに流れるニュースは何時もと変わらぬ「基地問題」ばか り、もっと多くの若い人(大人も含めて)に事実を知ってもらい、考えてほしい事柄であるのだが、、、。
小生が二等航海士として西アフリカ海域に赴任していた時(返還2年後)多くの沖縄出身の新人乗組員が派遣されてきた。本土復帰した沖縄の人々の雇用対策の 一環とのことであった。小生の船にも知念君と言う若者が乗船してきた。南国育ち特有のノンビリした大人しい若者であったので気性の激しい船乗り家業には無 理があった。毎日のように仕事でしごかれ、ワッチあがりの食事(酒の席)時には酒の肴にされ?よくいじめられていた思い出がある。大人しい彼ではあったが 時たま悪酔いすると「俺は日本人じゃない!琉球王朝の末裔なんだ~」と言っては又虐められていた。小生とて当時は沖縄返還の背景については詳しいことも知 らず興味もなかったから「沖縄人は粘りがない」「瞬発力がない」「船乗りには不適格」と言う印象しかもっていなかった。
浅はかな自分を大いに反省させてくれたのは小説「運命の人」を読んでからである。何か月前か山崎豊子原作の「運命の人」がテレビで放映され毎週見てきたが 小説に匹敵するほど興味深いドラマになっていた。彼女の作品は「フィクション」とはいえほぼ史実に沿った内容であるのが特徴であり興味深い題材が多い。白 い巨塔・華麗なる一族・不毛地帯など乗船中は良く読んだ小説である。小生の五男(五人兄弟の末っ子)が沖縄出身の女性(五人姉妹の長女)と結婚したとき、 彼女の故郷「今帰仁村」に行ったことがある。有名な首里城よりも「今帰仁城址」のほうが「沖縄」「琉球王朝」を感じることが出来た。戦前・戦中・戦後の沖 縄を今の若い人たちには是非この機会に勉強してほしいと切望する。更に歴史をさかのぼり「琉球王朝」についても知っておいた方がよいと思う。くしくも以前 放映された「テンペスト」が再放送されている。小説は入りにくかったがテレビドラマは分かりやすく気楽に見れるので勉強するには適材である。
40年前多くの沖縄の若者が船に乗り込んできたが、そのほとんどが短期間のうちに船を去ったと聞いている。小生と同年代の彼らの生きざまを想うと昨日の記念日は意義深いものがあった。