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2012/08/20

領有権(国土)

領有権を巡る摩擦が日毎に緊迫の度を増して来た。これまで公の場で講話をしてきた中で「領有権」に関する話は必ず話題にしてきた。島国の日本国民は自国の 領土・領海・領空といったことに極めて疎いからである。尖閣諸島、竹島の領有権をめぐる話は後述するとして、おさらいをしておく。
領土とは海岸線で一番潮が引いた地点(最低低潮面)に囲まれた陸地を指す。領海(teritorie water)はその基線から外側12海里 (1852×12=22キロ)以内の海域。この海域はその国の主権が及ぶ海域である。但し外国船舶にも「無害通行権」と言う権利が与えられていて沿岸国の 法令を遵守すれば他国の領海の中でも航行できる。領海(12海里)の外側から12海里(基線から24海里)までを接続海域と言う。この海域はその国の通 関・財政・出入国管理・衛生について法令違反や違反処罰に対する規制ができる区域を指す。更に排他的経済水域(EEZ)と言って基線から200海里の海域 をその沿岸国に経済的な管轄権を与えている海域がある。経済的管轄権とは①天然資源の開発等による主権的な権利 ②人口島や構築物の設置の権利 ③海洋調 査の管轄権 ④海洋環境の保護・保全の管轄権である。これが制定されたおかげで日本の遠洋漁業は世界各地の大陸棚から締め出されたわけで、小生も志半ばに して「陸の河童」になったという点では被害者?である。以上のどの海域にも属さないのが「公海」=high seaと言い特定の国家の主権に属さない自由 に航行できる海域である。先般中国の活動家達が尖閣諸島上陸を企て公海から日本の接続海域に侵入してきた時点で海上保安庁の巡視船が警告を発したのであ る。にもかかわらず彼らは領海にまで入り込み挙げ句の果てには日本の領土である島に上陸してしまった。領有権を巡る紛争のない地域であったなら銃撃されて もおかしくない事件である。恥ずかしながら40年前、西アフリカ漁場で領海侵犯をして銃撃を受けた経験のある小生としてはあの緊迫感?を今でも覚えている ほど「領海」とは沿岸国にとっては大切な海域である。嘗て大韓航空機がソ連の領空を侵犯し撃墜されたことがあるが、相手が民間機と分かっていても撃墜をす るくらい領海・領空というものはその国の主権を命懸けで守る海域・空域なのである。その領海(領土も含めて)を日本は中国・韓国から侵犯されたのである。 それが尖閣諸島・竹島を巡る領有権問題である。